水田のメタン削減を新たな価値に──クレアトゥラ、10億円調達で海外展開を加速

水田のメタン削減を新たな価値に──クレアトゥラ、10億円調達で海外展開を加速

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クレアトゥラ株式会社は、シリーズBラウンドで総額10億円の第三者割当増資を実施したと発表。引受先は、DBJキャピタル、三井住友海上キャピタル、ONEカーボンニュートラル1号投資事業有限責任組合、東京ガスの4社。同社は2024年8月以降、シリーズAで総額5.5億円を調達しており、今回のシリーズBで新たな成長資金を確保した。

クレアトゥラは、国内外でカーボンクレジットの創出プロジェクトを開発するスタートアップだ。温室効果ガスの削減量などをデジタル技術で測定・報告・検証する「デジタルMRV・SaaS」のシステム開発に加え、カーボンクレジットの販売やコンサルティングも手掛けている。

海外では、フィリピンを中心にAWD(Alternate Wetting and Drying、間断灌漑)を活用したプロジェクトを進めている。AWDは、水田に常時水を張るのではなく、一定期間水を抜いて再び灌漑する手法で、水田から発生するメタンの削減につなげる。フィリピンのPangasinanプロジェクトでは、現地農家や灌漑当局と連携し、衛星データやAI分析、デジタルMRVを活用して削減量を管理している。対象面積は2万2000ヘクタールまで拡大しているという。

国内では、2025年7月に設立した「カーボン・シナジー・コンソーシアム」を通じて、J-クレジットの創出を進めている。同社によると、同コンソーシアムにはエネルギー企業や再生可能エネルギー・省エネルギー関連企業を中心に32社が参加しており、企業や自治体との連携によるプロジェクト開発を進めている。

カーボンクレジット市場では、温室効果ガスの削減・吸収量をどのように測定し、削減効果の信頼性を担保するかが課題の一つとなっている。MRVは「Measurement(測定)」「Reporting(報告)」「Verification(検証)」の略で、クレジット創出の根拠となる削減・吸収量を確認するプロセスを指す。近年は、衛星データやAIなどのデジタル技術を活用し、MRVの効率化や透明性向上を図る取り組みも進んでいる。

今回調達した資金は、国内外でのカーボンクレジット創出事業の拡大と、デジタルMRV・SaaSの開発強化に充てる。フィリピンで蓄積したAWD事業の運営ノウハウと独自システム「LynxAWD」を活用し、他地域への展開を進める。

また、国内のJ-クレジット創出を拡大するとともに、AWDなどのカーボンクレジットプロジェクトを一元管理する「Lynx Connect」を強化し、他社向けSaaSとして展開する方針だ。

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