ライバーもリスナーも主役、全員が享受するWeb3次世代ライブ配信の可能性

ライバーもリスナーも主役、全員が享受するWeb3次世代ライブ配信の可能性

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KEPPLE編集部


次世代型ライブ配信プラットフォーム「Palmu」を運営する株式会社Lightがアーリーラウンドにて、第三者割当増資による5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。シードラウンドでの資金調達とあわせ、累計調達額は9億円となる。

今回のラウンドでの引受先は、emoote、前澤web3ファンド、Hyperithm、Spiral Capital、GMO AI & Web3、B Dash Ventures、KDDI Open Innovation Fund 3号、W Fund、Flickshot、その他数名の個人投資家。

今回の資金調達により、機能開発の強化やPalmu利用ユーザーの増加を目指す。

みんなが主役の次世代配信プラットフォーム

PalmuはWeb3を取り入れた次世代のライブ配信プラットフォームだ。ライバーは簡単にライブ配信をすることができ、リスナーからのコメントやギフトを受け取ることができる。

Palmuイメージ
今後はIEOを通じて、PLMトークンと呼ばれる独自のトークンを発行する。ライバーはファンの増加や受け取るギフティングの度合いに応じて、リスナーは応援するライバーの活躍に応じてPLMトークンを受け取ることができるため、ライバーだけでなくリスナーにも収益還元できる点が特徴だ。

2022年9月にiOSアプリをリリース以降、すでに毎日数百名のライバーが配信を行っており、2023年7月にはAndroid版のリリースを予定している。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 金 靖征氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

※IEO :暗号資産を用いて企業がプロジェクトの推進のために資金調達する方法

ライバーとリスナーが利益を享受するコミュニティ

―― 従来のライブ配信プラットフォームには、どのような課題がありましたか?

金氏:いくつかありますが、大きな課題として、ライバーが活動を続けるための負荷が高い点が挙げられます。リスナーに応援してもらい続けて熱狂的なコミュニティを維持するには、かなりの時間を配信に要します。

また、ライバーが有名になるにつれ、ファンとの距離が離れていきます。有名になると誹謗中傷も増え、精神的なつらさから配信をやめてしまうライバーも少なくありません。

ライバーとファンの課題
ライバーが辞めることで、ライバーとリスナーがこれまでに築いたコミュニティが無くなってしまいます。ライバーを通じたコミュニティを居場所としているリスナーが多いことはライブ配信プラットフォームのとても良い利点ですが、ライバーが去った後にコミュニティを存続させるメリットがないことも大きな課題です。

―― Palmuの特徴について教えてください。

PLMトークンがあることで、ライバーだけでなくリスナーにも収益還元できる点は大きな特徴です。応援するライバーが活躍することで自身にもPLMトークンが還元されるので、ファンはプロデューサーのような立場で応援しながら、ライバーとリスナーが同じ目線で成長を楽しむことができます。

また、Palmuには「ルーム」という概念があります。ライバー同士のチームのようなイメージです。例えばルーム同士でギフティングの量を競う際には、自分が応援するライバーに限らず、同じルーム内にいる別のライバーを応援することにもインセンティブが生まれます。

Palmuの構想
たとえ応援するライバーが辞めてしまっても、ルーム内でコミュニティを運営することができ、他ライバーを応援することでルーム運営への貢献として収益が還元されます。加えて同じルームのライバーを応援することで、辞めてしまったライバー自身にも、収益の一部を還元する構造になっているため、コミュニティを存続させながら長期的にライブ配信プラットフォームを楽しむことが可能です。

スタートアップスカウト

―― 創業のきっかけを教えてください。

20歳の時にCandleというキュレーションメディア事業で起業し、22歳で売却を経験しました。今後の人生について考えた際に、自分自身が起業を通じて大きなインパクトを残したいという思いが大きかったんです。

自分が生み出す何かが人々にポジティブな感情を与え、それを世界規模で最大化させたいと思いました。そのため英語の勉強も含めアメリカに一年半ほど滞在しましたが、帰国後もこうした思いは変わらず、2社目としてLightの創業に至りました。Lightの社名は多くの人に光を与えたいという想いから名付けています。

―― なぜPalmuの開発を始めたのでしょうか?

設立した2020年はコロナ禍の真っ只中ということもあり、当初はオンライン上で出会うマッチングアプリを開発していました。マッチングアプリに対して良い印象を持たない人も多いですが、これまでに多くの結婚や出会いを生んでいて、たくさんの人の人生を変える価値のある領域だと考えています。

そうした中、中国では仲人介在型マッチングアプリが流行しており、当社も日本で同じことを行おうとしました。バーのマスターのように、その場に集まる人同士をうまくつないであげるイメージです。

この構造が、ライバーを中心としたリスナーのコミュニティに非常によく似ていることに気づきました。同時に知人からWeb3の魅力について聞く機会があり、Web3はユーザーにとって本質的な価値を提供しうると考えました。

オンラインのマッチングアプリもユーザーを増やしていましたが、どちらがより世の中を変えられるかと考え、事業転換をして2022年からPalmuの開発を開始しました。

長期のコミュニティ成長計画

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

Palmuをリリースして数か月たちますが、ここからさらにプラットフォームとして盛り上げていく必要があります。そのための開発費や広告費、コミュニティ運営に関する費用として資金調達を行いました。

ライバーが多くてもリスナーが少なければ魅力はないですし、その逆も然りです。コミュニティの熱狂を十分に高めるまでは、ライバー収益の補填も必要です。時間をかけてコミュニティとして徐々に盛り上げていくため、長期の時間軸でビジネスを成長させていきます。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

まずはしっかりと熱狂的なコミュニティを立ち上げて、規模を大きくしていくことを重視しています。コミュニティは大学のサークルに似ていて、足を踏み入れてみて居心地が良ければ人はその場に定着するんです。そのため訪れたリスナーにいい体験を届けることが重要です。

コミュニティの魅力は、ライバーの応援という共通の目的をもつことで盛り上がれる点です。運営が短期的な盛り上がりのために有名インフルエンサーを起用することもありますが、これでは応援ではなく有名人を見ることが目的になってしまう。コミュニティとしての盛り上がりではなく、コンテンツプラットフォームになってしまいます。

我々はコミュニティ育成を重視しているため、規模拡大には時間がかかることを理解しています。短期的に売り上げを伸ばすのではなく、中長期的にコミュニティとして熱狂度を高めることを目指しています。

また、トークン価格は一日に大幅な下落をするリスクもあり、トークンの時価総額が下落するとサービス体験を損なうことにつながります。サービス体験を損なうとユーザーも減少し、悪循環に陥ります。

こうした背景から、IEOを通じたPLMトークンの実装は2023年の夏ごろを予定していましたが、マーケットの習熟度や世の中の期待値を見ながら意図的に遅らせるなど、慎重に進めていく決断をしました。

そのうえでWeb3を活用したプラットフォームであるという特徴で他社サービスと住み分けをしつつ、グローバルへの展開も検討しています。加えて、VTuberなどの領域へも展開をしながら、Palmuのライブ体験を広げます。Palmuはまだ発展途上のサービスで難易度の高い挑戦ではありますが、ユーザーと一緒により良いサービスに成長させながら、当社自身もグローバルに通用する企業になっていきたいと思います。


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