パワー半導体の高耐圧化を材料から──UJ-Crystal、4.3億円調達でSiCウェハ開発を加速

パワー半導体の高耐圧化を材料から──UJ-Crystal、4.3億円調達でSiCウェハ開発を加速

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名古屋大学発スタートアップの株式会社UJ-Crystalは、SBIインベストメント、京都大学イノベーションキャピタル、地域と人と未来(CJSF)などを引受先とする第三者割当増資により、総額4.3億円を調達したと発表。今後、一定の開発マイルストン達成を前提に追加調達も検討しており、総額5.7億円規模の資金調達を目指す。

UJ-Crystalは、パワー半導体向けSiC(炭化ケイ素)ウェハの開発・製造・販売を手掛ける、2021年設立の名古屋大学発ベンチャーだ。名古屋大学宇治原研究室で培われた結晶成長技術を基盤に、溶液成長法による高品質なSiCウェハの開発を進めている。

AIデータセンターの普及等に伴い、世界的に電力需要は拡大している。一方、再生可能エネルギーの導入拡大に対して送配電網の整備が追いつかず、系統接続の遅れや送電容量の不足も課題となっている。こうした背景から、長距離・大容量送電を可能にするHVDC(高電圧直流送電)や、電力系統を安定化するSTATCOM、電力を柔軟に制御するSST(半導体変圧器)など、次世代電力システムに用いられるパワー半導体の重要性が高まっている。

同社は今回調達した資金を活用し、開発中の超高耐圧パワーデバイス向けp型SiCウェハの開発を加速する。AIデジタルツインによるシミュレーション技術も活用し、従来の昇華法では難しかった高品質なp型SiCウェハの実用化を目指す。

同技術は、名古屋大学の研究成果を基盤に、NEDOグリーンイノベーション基金の支援を受け、オキサイドパワークリスタル、マイポックス、アイクリスタル、産業技術総合研究所などとの共同研究によって開発が進められてきた。

UJ-Crystalは今回の資金調達を通じて、超高耐圧p型SiCウェハの開発を加速し、次世代パワーシステム・デバイスへの応用を目指す。

※SiC(炭化ケイ素):シリコンよりも高耐圧・高耐熱・低損失といった特性を持つ半導体材料で、電気自動車や再生可能エネルギー設備、電力インフラ向けパワー半導体への採用が拡大している。

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