動画を活用したマネジメント支援ツールのClipLineがシリーズEラウンドで総額16.5億円の資金調達
動画を活用したマネジメント支援ツール「ClipLine(クリップライン)」を提供するClipLine株式会社は3月31日、シリーズEのエクステンションラウンドで、第三者割当増資により、総額6億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回は、2021年10月、2022年2月に行われたシリーズEラウンドのエクステンションラウンドに当たるもので、シリーズEラウンドでの資金調達額は総額16.5億円となった。
同エクステンションラウンドでの引受先は、MPower Partners Fundと他1社。
シリーズEラウンド全体での引受先は下記の通りとなる。
・インキュベイトファンド株式会社
・あいざわアセットマネジメント株式会社
・Axiom Asia Private Capital
・株式会社DG Daiwa Ventures
・SMBCベンチャーキャピタル株式会社
・山口キャピタル株式会社
・MPower Partners Fund 他
また、今回の調達を含めた累計調達額は31.5億円となった。
同社の運営する「ClipLine」は、多店舗展開を行う企業向けの動画型マネジメント支援SaaS。
動画を活用した従業員の育成や本部からの指示が行えるほか、現在開発中の新サービスでは顧客満足度調査などを行うことができる。
「ClipLine」では、短尺動画をスタッフの役割に応じてカリキュラム化して配信できるため、必要な動画を必要な時に確認することができるほか、手本と自分の動作を撮影した動画の比較や、コメントやレビューによる指導も容易に行うことができる。
また、双方向でのコミュニケーションも可能となっており、食品スーパーにおけるイベント時の試食販売売上増加といった現場施策の好事例などを動画として撮影し、全社で共有するなどの活用も可能となっている。
同社では、動画の作成や活用方法の議論、日々の支援を通して、導入店舗の売上が向上するところまで伴走する。
同社は、代表である高橋氏がコンサルティング会社に勤めていた際、多店舗展開している企業に対して支援をすることが多く、その時、本部からの情報伝達が伝言ゲームのようになってしまい、現場まで正確に伝わらないことや、本部や現場からの情報が、組織の構造上、拠点長や店長といったミドルマネージャーに集約されることにより、負荷が高くなってしまい、情報伝達のボトルネックになってしまっていたことを課題と感じたのをきっかけに創業された。
コンサルティングを行う中で、現場に対して共有すべき事項は、基本的に身体動作を伴うものだったため、主に情報伝達に使用されている文書やパワーポイントといった主にテキストを使用したものではなく、より直接的でわかりやすい動画でのアプローチを思いついたという。
また同社では、創業時から動画の撮影から編集までを自社で行なっており、これまで培った動画制作の知見が同社の強みにも繋がっている。
今回の調達資金は、対応領域を拡大するための機能拡充やマーケティング費用に充当する予定。
同社は、2021年の1年間でユーザー数が約1.5倍に伸びており、高成長を維持している。
またコロナ禍の影響もあり、今まで主要な顧客層であった外食産業以外からの導入が増えているという。
今後は、今まで主だったセミナーでの販促に加え、幅広い販促手法を取り入れるほか、サービス・プロフィット・チェーンという、従業員満足と顧客満足、企業利益の因果関係を示したフレームワークの考え方を軸に機能拡充を行うことにより、さらなる事業の拡大を目指すとしている。
ClipLine株式会社
ClipLine株式会社は、マニュアル作成・共有プラットフォーム『ClipLine(クリップライン)』を運営する会社。 「ClipLine」は、短尺動画を活用しているのが特徴。文字のみでのマニュアルに比べ、日本語能力が低くても理解しやすいほか、遠隔での指導がしやすくなる。外食や小売のチェーンが主な顧客になっている。
代表者名 | 高橋勇人 |
設立日 | 2013年7月11日 |
住所 | 東京都品川区西五反田7丁目22番17号 |