スポンサーとの共創、 エコシステムの拡大目指すスタートアップメディアの取り組み
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スポンサーとの共創、 エコシステムの拡大目指すスタートアップメディアの取り組み

written by

KEPPLE編集部

この10年、スタートアップを取り巻く環境は大きく変わった。VCやCVCが倍増するほか、先達のスタートアップ起業家が次世代の起業家に対して資金を出す流れも増えている。

スタートアップに流入する人材にも変化が見える。大企業出身の優秀人材や学生など、多様な人材がスタートアップで働くようになった。大学を卒業し、新卒でスタートアップに就職する学生はこれまでそう多くなかっただろう。

国策によるスタートアップ振興への後押しも大きい。政府が策定した「スタートアップ育成5か年計画」では、スタートアップによる社会課題の解決や経済成長への期待が示されている。

2023年の国内スタートアップの資金調達額は前年を下回ったが、それでも10年前と比較すれば大きく伸びている。”スタートアップ冬の時代”と呼ばれる調達環境の悪化が話題となったものの、今後もスタートアップへの注目は変わらないだろう。

そんなスタートアップの状況を日々伝えるメディアの一つが「KEPPLE」だ。メディアとしての情報発信を通じて、スタートアップエコシステムへの貢献を目指している。今後はメディアスポンサーの募集を開始し、メディア活動の拡大に取り組む。

なぜスタートアップ専門のメディアを立ち上げたのか、今後はどのような展開を描いているのか。KEPPLE運営の株式会社ケップルでメディア事業責任者を務める江口 淳に聞いた。

スタートアップエコシステムを可視化するウェブメディア

―― KEPPLEのコンセプトについて教えてください。

江口氏:KEPPLEは、スタートアップに特化した専門メディアです。「スタートアップエコシステムを可視化する」というコンセプトの下、2022年4月に立ち上げました。ここを見ればスタートアップに関連するあらゆる情報が集まっていて、数多くのイノベーションのきっかけが生み出される、そんな場所を目指して運営しています。

―― どのような情報を発信しているのでしょうか?

スタートアップへのインタビュー記事を中心に、資金調達の情報やプロダクトローンチの情報などを発信しています。加えて、ケップルのアナリストによる独自調査レポートやイベントレポートなど、スタートアップに関する情報を網羅的に発信しています。

これまでに、260社のスタートアップを取材しました。まだ運営から2年経っておらず、2,3名のチームで運営していることを考えると、かなりの頻度で取材をしてきたと思います。

取材記事数推移

―― KEPPLEを訪れる読者はどのような人々なのでしょうか?

当初は、積極的にスタートアップを探しているVCやCVCの方々を中心にご覧いただいていました。彼らの出資先を取り上げることに好評をいただくとともに、スタートアップ投資に携わる方の情報収集としてご利用いただくことも多くなっています。

また、約2年間運営を続ける中で、スタートアップ起業家やスタートアップですでに働く人々、スタートアップへの転職を考える層にも読者が広がってきています。こうした人々に向けた情報発信も強化していく予定です。

―― これまでに取材したスタートアップについて教えてください。

KEPPLEでは、業種や事業フェーズで取材対象を限定することはあまりなく、なるべく多くのスタートアップを取材するようにしています。特に既存のメディアには取り上げられにくい、創業初期のスタートアップや研究開発型のスタートアップも積極的に取り上げており、メディアへの露出機会として特に喜んでいただけることも多いです。

取材企業の属性

スタートアップの数に対して不足する発信主体

―― スタートアップにとって、メディア掲載の重要性をどのように考えていますか?

ケップルの設立は2015年です。創業期はVC向けの投資先管理ツール「KEPPLE CRM(旧:FUNDBOARD)」を運営するスタートアップとして日々奔走していました。メディアに取り上げていただく立場として、その恩恵を何度も受けてきました。

まだプロダクトもできあがっていない中で、志だけで突き進んでいた我々を取り上げていただくことは本当に嬉しかったですし、社内にモメンタムを生むきっかけになったことをよく覚えています。

メディアを通じて自らの取り組みを発信することで、新たな投資家やメンバーとの出会いに繋がることも珍しくありません。これから大きなことを成し遂げようと取り組むスタートアップにとって、メディアを活用したコミュニケーションは重要な要素の一つだと考えています。

―― KEPPLEの立ち上げ背景について教えてください。

ケップルは「Create New Industries」をミッションに掲げ、「KEPPLE CRM」のほかにも、事業会社向けのスタートアップデータベース「KEPPLE DB」やVCファンド決算支援にスタートアップ向け採用支援など、スタートアップエコシステムの中で広く事業を行っています。

そんなケップルとしてスタートアップメディアを立ち上げ、エコシステム活性化に向けた取り組みを開始するのは必然であったと思います。一方で、スタートアップ専門のメディアをビジネスとして成立させる難しさも感じており、なかなかメディア立ち上げに踏み出せずにいた期間が長く続きました。

徐々にケップルとして提供しているサービスが広がり安定してきた中で、広告収益に依存しない形で運営できる見通しが立ったのが2021年末ごろでした。そこから、メンバーを集めて立ち上げに至りました。

―― これまでのメディア運営でどのような手ごたえを感じていますか?

2年弱の運営期間ですが、260社のスタートアップを個別取材したことは成果として感じています。特にシード期の会社には記事掲載を喜ばれることも多く、中には採用候補者向けの参考資料として記事を送付してくださっている企業もあるようです。

まだまだやるべきことはありますが、スタートアップやVCからの情報提供や取材依頼をいただくことも増えてきました。徐々にではありますが、スタートアップエコシステムの皆さんに受け入れていただいているのではないかなと感じています。

―― 課題に感じていることはありますか?

取り組みの裏返しではありますが、限られたメンバーで多くの企業を取材し、継続して情報発信することは決して簡単ではありません。スタートアップエコシステムの皆さんの好意的な声を励みに日々取り組んでいます。

これまでの取材実績を一定の成果として捉えつつも、見方を変えれば「まだ260社しか」取材できていません。現時点で弊社のデータベース「KEPPLE DB」には、15000社以上のスタートアップが掲載されています。国や自治体の後押しもあり、今後さらにその数が増えることを考えると、多くのスタートアップを取り上げてエコシステムを可視化するにはまだまだ長い道のりです。

より多くの情報を届けるためにも、チームの強化は今後向き合っていくべき課題です。そのためには、我々自身もメディアとして収益をあげていかなければいけません。

エコシステムの参加者と「共創する」メディアに

―― 具体的にどのような取り組みを考えているのでしょうか?

私たちがメディア運営を通じて常々感じていたのは、エコシステムを発展させるためには関係者の協力が不可欠だということです。また、事業会社の方からも、「何らかの形でスタートアップと関係を持って支援したいけどどうすればよいかわからない」という相談を受けることが増えました。エコシステムに参加してスタートアップと接点を持ちたいというニーズは、想像しているよりも多いんです。

KEPPLE事業責任者の江口 淳


そこで、「スタートアップエコシステムの可視化」をコンセプトとしたKEPPLEの運営を共に支えていただく「メディアスポンサー」の募集を開始しました。一緒に取り組むことで輪を広げ、私たちの取材先であるスタートアップにとっても意味のあるものにしたいと思っています。

―― スポンサーになることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?

おかげさまで数多くのスタートアップの方々や投資家、事業会社の方々に認知いただき、KEPPLEをご覧いただけるようになってきています。何より、取材をしたスタートアップの方々に感謝していただけることが多く、微力ながらエコシステムへの貢献を実感しています。

また、私たちはスタートアップの代表者の方々に直接取材をするなど、多くの接点を持っています。今後は企画と連動したスタートアップ向けイベントなども積極的に開催していく予定です。

共にスタートアップエコシステムに貢献するパートナーとなっていただくことで、より自然な形で認知を広げるとともに、スタートアップとの接点創出につながります。

加えて、サービス内容などを直接訴求する記事広告のメニューなども用意していますので、課題にあわせたご提案をいたします。

―― 最後に今後の意気込みを一言お願いします。

私たちはこのメディアの活動を通して、スタートアップエコシステムのあらゆる情報を発信し、スタートアップの中で働いてみたい、スタートアップとともに挑戦してみたい人たちを増やしていきたいと心から思っています。

ただ、これは私たちの力だけでは決してなし得ないことです。同じ志を持つ方々とともに、スタートアップエコシステムの発展、ひいては、より良い社会の実現に向けて、取り組んでいきたいと思っています。

スポンサーや広告の出稿にご関心いただける方は、ぜひお問い合わせいただけますと幸いです。

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